NFTとは?わかりやすく解説【2022年12月最新版】

昨今、ブロックチェーンから生まれた新たなしくみとして「NFT」が注目されています。NFTの基礎知識、購入販売方法から、国内外のNFTマーケットプレイス、注目のニュースを踏まえて解説します。
(1)定義

NFTとは「Non-Fungible Token」の略称で、日本語では「代替不可能なトークン」を意味するものです。従来のデジタルデータは容易にコピーや改ざんができていたため、データそのものに希少価値はありませんでした。しかしNFTは「代替不可能なトークン」のため、唯一無二の価値を持っているという特徴があります。
こうした唯一無二の価値を持つデジタルトークンとして、NFTが発行されるようになった背景にはブロックチェーン技術が挙げられます。
ブロックチェーンとは、世界中にあるコンピューターにデータを分散することで、中央集権を置かずに破壊・改ざんが困難なネットワーク技術を作る技術のことです。つまり一つの場所にデータが置かれていないので、データのコピーや改ざんが難しいということです。さらにNFTではブロックチェーン上に、著作権情報や所有権情報が記録されているため、デジタルデータの所有者が明確化されます。
そのためデジタルデータのコピーが仮にされてしまったとしても、NFTとの紐付けがされていないため、贋作であることが簡単に証明ができます。
ブロックチェーンについては、以下の記事に詳細が記載されているので、合わせてご確認ください。

NFTの登場によって、これまでデジタル上に多く存在していたアート作品、ゲームやマンガ。不動産分野なども、デジタルデータとしての希少価値を持たせることが可能になりました。
例えば先日、ツイッター社を買収したことで話題を集めたイーロン・マスク氏が出品したNFTはオークションで1億円以上の価値を付けています。
NFTによってデジタルデータを作成し販売している人にとっては、唯一無二の価値のあるものとして明確に認められるようになり、購入者にとっては、絶対的にオリジナルのものを確実に手にできることになります。

If a building becomes architecture, then it is art
(2)暗号資産との違い


NFTと暗号資産の違いは、利用しているトークンが「代替性」のあるものか、「非代替性」であるかということです。暗号資産で利用されているトークンは、代替性のあるトークン(Fungible Token / 代替可能トークン)です。つまり同じ価値のあるトークンがいくつも存在しているデジタルデータになります。


この代替性のあるトークンは、1万円分の価値のあるデジタルデータなどとして扱われ、他の暗号資産への交換や現実世界の現金にも変更が可能です。


一方でNFTは非代替性のトークンです。同じトークンは存在しないため、価値は相場ではなく、取引によって決まることが多くあります。前述したイーロン・マスク氏が出品したNFTも、イーロン・マスク氏が手がけた唯一無二の作品であるという希少性などから高値が付いたと考えられます。


他にもスポーツのチケットや不動産情報は、代替性がないものとして考えられます。

こうした他に代替性があるものかどうかの違いが、暗号資産とNFTの違いになります。

NFTが注目される理由

NFTの市場規模は近年急速な拡大を見せています。2019年、約300億円の市場規模だったものが、2021年には2兆円規模にまで拡大をしています。
こうしたNFTが注目された背景には、NFTの持つ特徴が考えられます。NFTには「非代替性」や「取引可能性」、「相互運用性」「プログラマビリティ」という特徴があります。
「非代替性」とは、NFTが唯一無二の価値を持つものであるという証明のことです。そのためデジタルアート作品などの場合、世界に一つだけのものとして証明して販売を行うことができました。結果として購入者としても価値のあるものを手にすることが可能です。
また「取引可能性」とは、データの所有者が自身の持っているNFTを自由に他者に売買できるというものです。例えばデジタルデータとして描かれたマンガのイラストを購入した人が、他の人に改めて所有権を移転するなどです。
加えて「相互運用性」とは、NFTの規格に沿って発行されたサービスであれば、どこでも取り扱うことが可能という意味です。つまり規格に遵守したマーケットプレイスであれば、取引が可能なため、デジタルアートの作者などは、規格に遵守していれば世界中の人に作品を見てもらうことが可能になりました。
最後に「プログラマビリティ」です。「プログラマビリティ」とは、NFTに付加機能をプログラムできることです。プログラマビリティを活用することで、NFTの作者が2次流通などの際に、購入代金の一部が作者に振り込まれるなどのプログラムを組むことが可能になります。
これまでのトークンでは実現できなかった希少性や、作者、購入者にそれぞれメリットがあること、アート作品にとどまらず、不動産の証明やスポーツチケットなどあらゆる分野にも活用できることから、NFTが注目を集めています。

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